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秀の過去
僕は物心がついた時には父親がいないことがわかった。
母親に一度だけ父親の事を聞いたことがある。
母は父親は事故で死んだと言っていたが、その話をしてる時の母の顔は誰かを恨んでるような表情をしてた。
最後に父親の事は忘れなさい、二度と父親の事を聞くな、と言われた。
僕はその時はよく分からなかったが今ならなんとなく分かる。
おそらく僕の父親は酒やギャンブルに溺れ、娼館で母以外の女と出来て母と僕を見捨てたのだろう。
今の僕はそう考えてる。
しかしまだ物心ついたばかりの幼い頃の僕はどうしても一度でいいから父親に会ってみたいと思っていた。
そう、それが後に後悔する事だとしても…。
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