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僕の指が掴めた感触に驚いたのか、自分の手を見つめグッパーしているぞ。なにこの生き物可愛い。
「神? 」
次に僕を見つめ問いを投げかけるとか、コテンと傾げた愛嬌ある行動に益々にやける。逸材だ。
「そう。人類の主であり、天使の主である。万物の支配者、我は神であるぞ」
「頭の方は残念なことに良いとは言えませんが。確かにこの方は我々の絶対的存在。馬鹿な所がたまに傷ですが」
(サリエルさん一言多すぎで泣けます)
翼を広げ、彼の前に降り立つ。
「どうだい? この神々しい姿。今からでもあがめ「テメェが俺を殺した犯人かぁーーー」…ぐっふぅー」
見事なパンチがお腹にジャストミート。
神様に対して躊躇なく振り切るその威勢に、サリエルちゃんの片鱗が見えたよ。
「まぁまぁ。精神体に形を持たせただけですのに、素敵な攻撃力ですこと」
「そんな事言って、肩入れしたでしょ」
「私を疑うおつもりですか、心外です。私はただ、死を司る天使としてこの子の憂いを少しでも和らげるべく手を貸したまでです」
「それを肩入れって言わないかなー?! 」
僕たちのやり取りの間、まだ殴り足りないのか様子を伺っている。あの子怖い。
「俺は死んだ。その原因は、駆逐しなければ気が済まない……と、あのお姉さんと一緒に決めました」「そうですよ、僕が原因で犯人ですよ。ちょっとサリエルちゃんこっちで話し合おうか」
「嫌です」
転生者を欲したあまり起こした行動とはいえ、こんな仕打ちは酷すぎるよ。とはいえ、そうだよねー。元々のきっかけは僕だし。
「僕自身やり過ぎたとは思う。という事で、君の願いを聞き入れよう。はい、どうぞ」
「とっとと俺を地球の元いた場所、時間に生き返させろ」
「出来る範囲を超えているので無理です」
「神のくせ使えない」
はい聞こえませーん。
耳閉じてるんで、文句あっても僕には届きません。
とはいえ、今時めずらしいなぁ。転生できるのに、まさか、地球に帰りたがる人間がいるなんて。夢がないよ、夢が。
「とにかく、君の選択は一つ。転生しかない」
「死なせた上、アフターケアを怠る。これは罪が増え「ごめんない。転生後に役立つ機能もりもりにしますので、私めの勝ってでは御座いますが、どうか転生してくださいませ」
「うーわー。ちょっと引くわ」
僕神様なのに。偉いのに。なんで土下座までしているのだろう。確かに彼は被害者で可哀想な仔羊ではあるけどね。
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