蓄音機とか青春の輝きとか初恋とか

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つかつかと学芸員が出てきて、よろしかったら、腰掛けてください、といった。 私は桜の木が見えるように、一番窓際の椅子に腰掛けた。 学芸員も私の向かいの椅子にストンと腰掛けて、黒いストッキングと、ベージュのスカートの間から白い足を覗かせた。 見た目、20代前半位に見える女性が、カーペンターズが好き、というのは、少し可笑しかったが、僕はその学芸員に好感を持った。 曲間に入り、音がゆっくり小さくなってきた。
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