2人が本棚に入れています
本棚に追加
竹の針を使用しているんです。針がしなやかで、切ない音がします。
「切ない」
といった彼女の言葉が引っかかった。
ゆったりと時が流れる。
「イタリア水夫の歌」
が流れて、あぁいつ聴いたか、記憶にないほど小さいころに聴いたな、と思った。
途端、ぶわっと強風が吹き、桜の花びらが、それこそ無数に(本当に、そのときは花びらのピンク一色だった)舞い上がり、あぁ桜吹雪だ、桜吹雪だ、と僕は思い、なんだか少し切なくなった。
最初のコメントを投稿しよう!