蓄音機とか青春の輝きとか初恋とか

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学芸員が、 隣に、小高い城跡があって、昔は徳川の殿様を出したお城だったそうなんですが、そこに大きな山桜がありまして。 と言った。 あぁ、山桜が。 ひょっこりと新緑を覗かせる桜の巨木を眺めながら、僕は桜吹雪が舞い上がり、ゆったりひらひらと落ち行く様を眺めていた。 桜の花びらが散って、そうすると、掃除が大変なんです。 ピンク色がすっかりなくなると、あぁ、いよいよ蒸し暑くなってくるな。夏が来るんだなと、そう思います。 そうか、そうですね。これだけたくさんだと。 桜の巨木が真っ白に霞んで見える。
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