蓄音機とか青春の輝きとか初恋とか

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僕は学生の時分を思い出していた。 初夏の暑い休日だった。僕は、彼女と一緒に、古い城下町を歩いた。 城跡に、彼女の出身校である女子高があって、その前の自動販売機で、ドクターペッパーと、アクエリアスを買った(なぜだかこういうことは鮮明に覚えている)。 彼女が、暑いので、中に入ろうと言い、手を引かれるまま、僕は女子高の正門をくぐり、玄関口を突きぬけ、職員室の前まで来た。 大丈夫大丈夫、待っててね。 彼女がそういうので、僕は職員室で待った。 ものすごくドキドキした。女子高にくることなど、まずない。 女子高生に鉢合わせたらどうしようかと思った。
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