第1章

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「けど何の約束だったか思い出せないんだよ」  正直に告げると、彼女のメガネの奥に光が宿る。 「故障した家電製品の九割は叩くと直ります。人間の脳も衝撃を与えれば、忘れたことだって思い出せるんです」  そう断言するなり彼女は俺の腕を取り、校舎の外壁目掛けて振り飛ばした。  突然の事態に抵抗もできず、肩から叩き付けられる俺。思わず「ぎゃっ」と悲鳴が漏れる。
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