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みんなで落書きした黒板の前で、幼馴染の女の子が卒業証書を握りしてめて泣いていた。
なぜ泣いているのか、その理由は知っているし、泣かせる原因は僕にあった。
あの子と僕は違う大学に進む。初めて離れれるのが悲しいらしい。
「なんで、そんなに泣くんだよ」
声をかけると、振り向いて答えた。
「君が、どここか遠くにいちゃって、他の誰かを選ぶ気がして……」
前から、彼女が僕に好意を持ってることを知っていた。だけど、僕は一歩踏み出せなった。だから、その僕から卒業するんだ。
「僕は一人しか選ばない。だって、大好きなのは、お前だけなんだから。お前の気持ち、知ってたのにずっと言えなくて、ごめん」
泣きながら彼女は
「ほんとだよ。酷い! 私、君のこと大好きで大好きでしょうがなくて、辛かったんだよ?」
桜のように儚くて、切なくて、ずっと側にいなきゃいけないような、甘い使命感を感じさせる笑顔を浮かべた。
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