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「はい」
きっと職場の誰かだろうと表示も見ないで出たのが間違いだった。
「ごめん、俺だけど寝てたかな?」
え?あれ?家にはいったはずじゃなかったのかなと頭の中で疑問に思っていると、
「今外でたんだ」
「びっくりしましたお買い物ですか?」
頭の回らない私はあっけらかんと話ししていると
「さー奈々ちゃんに問題です、どうしても声が聴きたくて電話したい僕は何を買いに行くと家を出たでしょう」
少しだけ意地悪そうに笑いながら質問をしてくる桜井さんを愛おしいと思った。
「うーん、なんだろう・・・」
「当たったら大事なことを話すよ」
「あ、わかっちゃいました」私の直感が当たれば・・
「電池じゃないですか?今すぐ必要なものを買いに家を出るなら出れそうだなと思ったんですけど・・・」
そういう私の言葉に電話口から笑い声が聞こえた。
「奈々ちゃん、正解です。君は僕の気持ちや考えてることがわかるのかな?」
そう笑うと
「正解した奈々ちゃんに一言だけいいます、僕は君の事を愛してしまいました、今すぐに会いたい」
電話口の声が愛おしくて、少しだけ切なくて
「桜井さんそれは反則ですよ」「なんでだい?」
「だって、あたしだって離れた瞬間から会いたくて仕方ないですもん」
少しだけ強気に、照れくさい言葉を言った。
「どこでもドアがあればいいのに、そう思ったのは初めてだ」そう笑う彼の声に癒しを覚えていた。
「桜井さん、お家に帰ってください、奥様に感づかれてしまったら困りますよ」
私は楽しい会話をぶった切るように、急に現実に戻した、好きだけど愛したらいけない人だと分かっていたから、家庭を壊さないと約束をしたから・・・。
「奈々ちゃんがそういうなら戻るよ、寂しいけど・・・また明日あえるかな?」そう言うから
「ランチは明日和食屋に食べに行きたいな」そうわざという私の言葉を聞いて「あはは、明日は和食屋でご飯を食べようね、また風呂から上がったラインします。」
「待ってます」「じゃぁ、またあとで」「はいまた。」電話を切った。
(あぁ、明日会える)そう心が躍りだすような感覚にわくわくしていた。
眠るまでのラインはくだらない話をして、まるで隣にいて会話をしてるようなおやすみなさいの言葉までずっと夜通しラインをしていた、まるで子供の頃に戻ったように淡くて甘酸っぱい恋をしているようなそんな気持ちで眠りについた。
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