桜風

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寂しい街で愛しい人に出会いました。 左手の薬指に光る指輪のあの人に 暑さにやられて会社に電話をして、休みにしてもらった、連日猛暑の最終日。暑さでフラフラでコンビニ脇の小さな公園でペットボトルを首の後ろに引いてベンチに横たわった。 ここ最近の日本の夏は毎年「例年以上の暑さが続いています」そうニュースで流れるくらいだった。迂闊だった、完全に暑さと連日の飲み会のせいで体調が悪かった。 (はぁ。。。ついてない)炎天下の中、愚かさと苦しさで涙が止まらなかった。 横たわるベンチに人の座る気配がした。 それと同時に微風だが風を感じた。 思わず顔に乗せたタオルを外すと、私より7つぐらい年上のサラリーマンが慌てた顔で仰いでた内輪を止めた。 「すいません、ちょっと具合悪くて」呂律の回らない話に 「ごめんね、熱中症かなと思って、あまりにつらそうだったからつい、ごめんね」そう微笑むと立ち上がろうとするから思わず手が手に伸びてしまって 「大丈夫?営業車止めてあるんだ、病院送るよ」大丈夫・・・そう言葉を出す頃には意識が飛んでしまった。 あんなに朝ごはんは食べていきなさいと言われたのに食べなかったからだ・・・昨日の飲み会で飲めないテキーラ飲んだせいだ、それにクーラーつけないでねちゃったからだな・・そんなくだらないことを考えながら眠りについた。 目を開ければ真っ白な天井「あぁ、寒い」私のぼそっと出した声に「大丈夫?ベンチでそのまま倒れちゃうからびっくりしたよ、よかった目が覚めて」そうベンチで出会ったサラリーマンの人が優しい笑顔で私に問いかける。 「もう気持ち悪くない?飲み物のむ?」にっこり笑う顔につられて笑ってうなずく。 「あのお仕事中にすいませんでした。」私の言葉に首を横にふると、「本当に毎日暑くてまいっちゃうよな」そう笑いながら飲み物を差し出してくれた。 「じゃあ俺はこれで」丁寧にお辞儀なんかするから急にかしこまって「あの、お礼をさせてほしいので名刺頂く事できませんか?」私の言葉にお礼は一緒に栄養あるもの食べに行きましょう、そうこそっと笑いながら名刺を置いて部屋を後にした。
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