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 秋成様と悠士様様がニッと笑う。ふたりそろって悪戯小僧の表情だ。 「干ばつに多雨に宮中の穢れだろう。助言や励ましはありがたいけど、いろんなことを好き勝手に言う人も多い。誰が本当に味方なのか見失いかけて、気が滅入ることが多いけどね、ただ落ち込むだけだとね、うまく行くものもうまく行かなくなるのさ。なあ秋成」 「そうだな。何を信じるかは誰かに言われて決めるんじゃない。各々が自分で決めるものだ。いちいち全てまともに受け止めていては壊れてしまうからな。  さて、外に出る前に戦略を練るとしようか。ふたりとも、こちらの部屋へーー」
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