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運転手は無線を切り、立ち上がって説明を始めた。
「えー、乗客の皆様には大変ご迷惑をおかけしております。当車両は只今原因不明のエンジントラブルにより、運行出来ない状態にあります。
早急に代替え便の手配を致しましたので、申し訳ございませんが、代替え便の到着をお待ち下さい」
車内がざわつき始めた。
(マズいな・・・代替えと言ってもまだまだ来ないだろうし、このバスが故障したせいで、ますます渋滞するだろう。
ここからなら・・・)
「すみません。降ろしてもらえますか?」
咲也は満員の車内を縫うように進んで、バスから降りた。
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