美しい神様2

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『雪也さんが命を救いました、だから泣かないでください』 『よかった…』 ホッとした蓮は気を失いシーズンの腕の中に倒れた。 『蓮さん?』 アヤメが驚いた。 『桜が生きてると聞いて安心したんだろう、心配しなくても眠ってるだけだ』 『そうですか』 『それより雪也はどこにいるんだ』 『そうだ、雪也さんに蓮さんが見つかったことを知らせないと』 アヤメは意識を集中させた。 『雪也さん、聞こえますか…聞こえたら返事をしてください』 『アヤメ、どうした』 雪也は剣で雷光と戦いながら答えた。 『蓮さんが見つかりました、今、俺達と一緒にいます』 『俺達?』 『シーズン様が来てくださいました』 『シーズン様が!』 『シーズン?』 集中していないことにムカついた雷光は雪也から離れた。 『どうしたんだ』 雪也は戦いを止めた雷光に問いかけた。 『今、シーズンと言ったな、ここに来ているのか』 『そうらしいな』 『シーズンはどこにいる』 『なぜ?』 『俺を無人島に送った復讐をする、居場所を教えろ』 『その必要はない』 雪也と雷光の前にシーズンが現れた。 『シーズン様』 『雷光は俺に任せて、雪也はアヤメのところに』 『はい…アヤメ、どこにいるんだ』 雪也はアヤメと会話をしながら走っていった。 『雷光』 シーズンは険しい顔をしながら剣を出現させ手に掴んだ。 『2度と俺を無人島に送れないようにしてやる』 雷光は剣でシーズンに向かっていき剣と剣の戦いが始まった。 その頃、雪也はアヤメ、蓮と合流していた。 『シーズン様は?』 『シーズン様のことは心配いらない、それより早くここを出て蓮さんを桜の元に連れて帰らないと』 『そうだね』 『蓮さん、アヤメ、俺の肩を掴んでください』 『はい』 蓮とアヤメは雪也の肩を掴んだ。 雪也は集中させ寝室にいる桜の気をとらえるとその場から姿を消した。 そして雪也と蓮とアヤメは桜が寝ている寝室に姿を現した。 『桜…』 蓮はベットで寝ている桜に近づき優しく手に触れた。 『うう…ん…』 目を覚ました桜は蓮に顔を向けた。 『桜…』 蓮は涙を流しながら桜の身体に抱きついた。 桜は蓮の背中をさすりながら『何で泣いてるんだ』と言った。 蓮は顔をあげ桜を見つめながら『雷光が言ったんだ桜は死んだって…だから…』と言いかけ再び涙が流れた。
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