美しい神様2

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『雷太、化膿止めの薬を持ってきてくれる』 『わかった』 雷太は部屋を出て行った。 『…うう…』 『雷光』 『……』 目を覚ました雷光は彩佳に目を向けた。 彩佳は治療を止め『大丈夫?』と問いかけた。 『あぁ…お前の治療のお陰だ』 雷光はゆっくりと身体を起こした。 『雷太が化膿止めの薬を取りに行ってるから』 『彩佳、傷ついた神達の治療を頼めるか』 『いいわよ、雷光はゆっくり休んで』 彩佳が部屋を出るとその後、薬と水を持って雷太が現れた。 『起きて大丈夫なのか』 雷太は雷光に近づき薬と水を差し出した。 『あぁ』 薬と水を受け取った雷光は薬を飲んだ。 『兄貴、何があったんだ』 雷太が問いかけると雷光が口を開いた。 『雷太…俺はシーズンを殺してやった』 『シーズンを殺した…』 『雪也も殺そうと思ったんだが逃げられた』 『兄貴…』 『蓮にも逃げられた』 『兄貴…ゴメン…』 雷太は落ち込んだ。 『雷太、彩佳を手伝ってやってくれないか』 雷光は雷太の肩を優しく触れた。 雷太は顔をあげ雷光に『わかった』と言って部屋を出て行った。 雷光は仰向けで身体を倒し眠りについた。 その頃、蓮と桜はベットで愛し合い寄り添っていた。 『少し寝たら?』 桜は蓮に問いかけた。 『寝ない』 『どうして?』 『寝たら桜が居なくなっちゃうから寝ない』 『心配しなくても俺はいなくならないから』 『本当?』 『あぁ…』 『桜も寝てよ…おやすみ』 『おやすみ』 桜は側で眠る蓮の頭を優しく撫でた。 それから暫くして桜は抱きついて眠っている蓮を離れさせベットからおりると寝室を出て行った。 『雪也達は何も言わず出て行ったのか』と言いながらリビングに入った桜は悲しげな顔で立っているアヤメと目があった。 『君は…』 『雪也さんが…目覚めないんです…桜さん、助けてください』 アヤメは涙を流しながら言った。 『雪也が…』 『お願いします、助けてください』 アヤメは桜の手を掴みその場から消えた。 その頃、蓮はベットで眠っていた。 ーシーズンの部屋ー アヤメに連れてこられた桜は向日葵と紅葉に再会した。 『お前ら、雪也のことで来たのか』 桜が向日葵と紅葉に問いかけるとアヤメが口を開いた。
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