美しい神様2

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1年前、見習いの神達と雪也と陽希と向日葵と紅葉とシーズンに祝福されながら無事に夫婦となった桜と蓮は現在、建てた家で幸せに暮らしている。 『もう行くのか』 桜は玄関に行く蓮についていった。 『初めていく仕事場だからね、早く行かないと』 蓮は靴をはき桜に向いた。 『行ってくるね』 『俺も仕事を探して稼ぐからな』 『ゆっくり探せばいいから』 蓮は桜の唇に唇を重ねた。 その後、唇は離れ蓮はドアを開き出掛けていった。 『部屋の掃除をしてから仕事を探しに行くか』 部屋の掃除、洗濯、皿洗い、全てをやり終えると桜は仕事探しに出掛けていった。 ー午前9時、花屋開店ー 『佐藤君、オープンの看板を入り口に出してくれる』 女性店長が花を並べながら言った。 『はい』 蓮は看板を持って入り口の近くに立てた。 『すみません…』 『いらっしゃいませ』 声をかけられ返事をした蓮は男に目を向けた。 『薔薇を10本ください』 『プレゼントですか?』 『はい、知り合いに』 『そうですか…薔薇を10本ですね…』 蓮は中に入りバケツに入っている薔薇を10本とるとプレゼントように仕上げた。 蓮はその10本の薔薇を持って入り口で待っている男に近づいた。 『お待たせしました』 『いくらですか?』 『2000円になります』 『……』 男は財布から2000円を出し蓮に差し出した。 蓮は片手で2000円を受け取り薔薇を男に渡した。 『ありがとうございました』 『……』 男が薔薇を持ってその場を離れると、蓮はお金を持って店の中に入った。 男は歩きながら『神達が惚れた男ってあいつか』と言って男は笑みを浮かべた。 その頃、桜は喫茶店で珈琲を飲みながら仕事情報誌を読んでいた。 『なかなか無いなぁ…』 『久しぶりだな、桜』 『……』 桜は顔をあげ薔薇を持った男に驚いた。 『雷太…』 『驚いた顔をしてどうしたんだ』 雷太は向かい合って椅子に座った。 桜は睨み付けながら『何しに来たんだ』と雷太に言った。 『俺達の再会に』 雷太は薔薇のプレゼントを桜に差し出した。 桜は椅子から立ち上がり無言のままその場から離れると珈琲代を支払い店を出て行った。 笑みを浮かべると雷太は心の中で雪也に呼び掛けた。
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