美しい神様2

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『桜が殺されたら俺も復讐するかもしれません』 『……』 『陽希さんは喜ぶでしょうか』 『……』 『復讐しても、雪也さんは苦しみます…そんな姿、俺は見たくありません…』 蓮は雪也の両手に触れながら目から涙を流した。 『……』 雪也は手を離れさせ蓮に背を向けた。 『雪也さん』 『復讐をすると決めたんです、ゴメンなさい』 雪也は部屋を出て行った。 『雪也さん…』 蓮はベットに座りうつ向いた。 その頃、雷光は小窓から外を眺めていた。 『アヤメという男が叫んだ直後に現れた光から陽希の気を感じた、なぜだ』 『兄貴、俺に頼みって何だ』 部屋に入ってきた雷太が問いかけた。 雷光は振り返り『アヤメという男を連れてきてほしいんだ』と雷太に言った。 『アヤメ?…誰だよ』 『この男だ』 雷光はアヤメの写真を雷太に投げた。 雷太は写真を受けとり見ながら『こいつを連れてくればいいんだな』と言った。 『あぁ、頼むな』 『わかった』 雷太は写真を持ったまま部屋を出て行った。 雷光は再び小窓から外を眺め『まさかあの男、陽希の…』と言いかけその後、口を閉ざした。 その頃、アヤメは1人、神の森で立派な神になるため特訓をしていた。 『早く立派な神になって蓮さんを支えなきゃ』 『1人で特訓か偉いな』 『……』 特訓をしていたアヤメは男の声に築き特訓を止めると男に目を向けた。 『誰?』 『俺は雷太、君を迎えに来た』 『迎えって…』 アヤメは雷太に気絶され神の森から姿を消していった。 ー雷光の部屋ー 『雷光、雷太、知らない?』 部屋に入ってきた彩佳が言った。 『俺の用事で出掛けてる、何か用事か』 『新人の神達が雷太に特訓してほしいって言うから』 『理由を言って彩佳が特訓してやれ』 『雷太に特訓してほしいって言ってるのに…私じゃあ…』 『……』 雷光は彩佳に近づき顎を掴むと口を開いた。 『お前なら出来る、雷太の用事がすんだら行かせるから…それまで頼めるか』 『わかった、雷太の代わりにやってみる』 『良い娘だ』 雷光は彩佳の顎を掴んだまま唇にキスをした。 その後、彩佳は頬を赤らめながら部屋を出て行った。 それから暫くして雷太が気絶をしているアヤメを連れて部屋に現れた。
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