美しい神様2

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『連れてきたぞ』 『ソファーに寝せといてくれ』 『わかった』 雷太はソファーにアヤメを運び仰向けで身体を寝かせた。 『雷太、黒の森で彩佳が新人の神達を特訓しているから手伝ってやれ』 『今から?、めんどくさいなぁ…』 『命令だ、手伝ってやれ』 『わかったよ…』 雷太はぶつぶつと文句を言いながら部屋を出て行った。 雷光は無言のまま隣の部屋に行った。 10分後、ソファーで眠っているアヤメが目を覚ました。 『ここはどこだろう』 アヤメは身体を起こしまわりを見渡した。 『目が覚めたかね』 『お前は!』 目の前に現れた雷光の姿を見てアヤメはソファーから立ち上がり剣を両手で掴むと構えた。 『戦うつもりはない、君に来てもらったのは聞きたいことがあるからだ』 『聞きたいこと?』 アヤメは剣を構えながら言った。 『もしかして君は陽希の関係者じゃないのか』 『どうしてそう思うんですか』 『雪也と君が去るとき、君の気が陽希と同じだったから』 『俺は陽希の弟です』 『やっぱり、雪也達は君が陽希の弟だと知ってるのか』 『言ってないから知らないはずです』 『……』 雷光は何も言わずアヤメに背を向けた。 『俺と戦え、兄貴のかたきをとる』 『君と戦うつもりはない』 雷光はアヤメに背を向けたまま部屋の中に入っていった。 『いつか兄貴のかたきをとってやる』 アヤメは剣を持ったまま小窓から逃げていった。 ー神の森ー 雪也は剣で特訓をしながら『蓮さんには悪いが一度、決めたことはやりとげる』と言った。 その時、桜が現れた。 『何か用か』 剣で特訓をしながら雪也が問いかけた。 『どうしても雷光達と戦うのか』 『一度、決めたことはやりとげる』 『仕方ないな』 手に力を込め剣を出現させると桜は剣を掴んだ。 『雪也、蓮の言うことが聞けないなら仕方ないな、俺と戦え』 『……』 雪也は特訓を止め桜を見つめた。 『雪也、剣を構えろ』 『本気で言ってるのか』 『あぁ、俺は本気だ』 桜は剣を振りおろしながら雪也に向かっていった。 『蓮さんを失えば俺の気持ちがわかるさ』 雪也は桜の攻撃を防ぎながら言った。 その時、アヤメが現れた。 『2人とも何をやってるんですか』 アヤメは剣と剣で戦っている雪也と桜に叫び戦いを止めた。
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