美しい神様2

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『桜…』 蓮が言いかけたその時、桜が口を開いた。 『雷光が陽希とシーズン様を殺したことに後悔しても俺達は許すことはできない、蓮、遅いんだよ』 桜は蓮に背を向けたまま砂浜を歩き森に向かった。 1人になった蓮を離れた場所でアヤメが蓮を見つめていた。 『……』 アヤメは砂浜を離れていった。 蓮は砂浜を歩き始め部屋に向かった。 ー神の森ー 向日葵と紅葉は新人の神達を厳しく特訓した。 『剣に力を入れて』 『集中し相手の気を感じとるんだ』 向日葵と紅葉が叫ぶなか桜が戻ってきた。 『蓮さんはいなかったのか』 新人の神達を見ながら紅葉が言った。 『話があるんだ、特訓を終了してくれないか』 『部屋じゃ話せないことか』 『……』 『…わかった…』 紅葉は向日葵に目を向けた。 『特訓を止め…今日の特訓はこれで終了だ、解散』 『ありがとうございました』 新人の神達は森から離れていった。 桜は石に座りうつ向いた。 『蓮さんはいなかったのか』 『…いたよ、雷光と一緒に』 向日葵の問いに桜はうつ向きながら答えた。 『雷光と!』 『何で蓮さんを連れてこないんだよ』 助けに行こうとする向日葵と紅葉を桜は止めた。 『雷光はいないから大丈夫だ』 うつ向きながら桜が言った。 『桜、何があったんだ』 『蓮さんと何かあったんだろ』 『……』 顔をあげ椅子から立ち上がると桜は蓮の言葉を口にした。 『陽希とシーズン様を殺したことに雷光が後悔をしてるから許すことはできないかって蓮が言ったから、俺はできないって怒鳴ったんだ』 『お前が怒鳴る気持ちわかるよ』 『俺もわかるよ…今さら許すことなんてできないだろ…特に雪也は…』 向日葵が言った。 『蓮は俺達と雷光が仲良くなればいいと思ってる、俺は…雷光と昔のような仲には戻れない』 『俺も…』 向日葵が言いかけ無言になると紅葉が口を開いた。 『俺も仲良くなれないと思ったけど…』 『思ったけど何だ』 『…桜、向日葵、雷光を許せば戦いは起こらないんじゃないのか…』 『ふざけるな!』 隠れて話を聞いていた雪也が現れ紅葉の言葉に怒った。 『雪也…』 『紅葉、本気で言ってんのか』 『俺は…誰かが死ぬのを見たくない、ただそれだけだ』 紅葉は森から出て行った。
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