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『紅葉の言うこともわかるな、俺も誰かが死ぬの見たくないかな、桜もそうだろ』
向日葵は桜を見つめながら問いかけた。
『……』
『お前達が許しても、俺は許さない』
雪也は森から出て行った。
『桜、新人の特訓なんだけど、俺はやめるわ』
桜の肩に触れると向日葵は桜をおいて森から出て行った。
1人になった桜は膝をつき森の中で叫んだ。
ー黒の神、庭ー
雷光はベンチに座って空を眺めていた。
『何で俺はあんなことを…』
雷光が口にしたその時、行き交う神達の姿が突然、消えた。
『……』
驚いた雷光はベンチから立ち上がりまわりを見渡した。
そして雷光は前方から近づいてくる2人の男に目を向けた。
『…陽希…シーズン…』
『雷光』
陽希とシーズンは雷光の前で足を止めた。
『どうして陽希とシーズンが…』
『俺が死んだのはお前のせいじゃないのに、皆からせめられお前は悪者になった…ゴメン…』
陽希は雷光の頬に触れながら言った。
『陽希…』
『雷光、俺とシーズン様はお前を恨んでない』
『シーズンが俺を恨んでない?嘘だ、俺はお前を殺した、恨んでないわけがない』
雷光はシーズンを見つめた。
『最初はお前を恨んだ、だけど陽希に死んだ理由を聞かされ俺は恨むことをやめた、そして俺は蓮さんに力を託した、蓮さんならお前達の仲を昔のように仲がよかったあの頃に戻してくれる、そう信じて力を託した』
『…お前を殺すつもりはなかった…』
雷光は目から涙が流れた。
シーズンは黙って雷光を抱き締めた。
『桜達にせめられ辛かった、シーズン、許してくれ』
『……』
シーズンは声を出しながら泣く雷光を落ち着くまで優しく抱き締めた。
その後、雷光はシーズンの腕の中で気を失った。
シーズンは雷光をベンチに寝かせその後、シーズンと陽希は姿を消した。
『兄貴、こんなところで寝たら風邪を引くぞ』
雷光の身体を揺らしながら雷太が言った。
『うう…ん』
目を覚ました雷光は雷太に驚き身体を起こした。
『陽希とシーズンはどうした?』
『寝ぼけてんのか』
『さっきまでここで話をしてたんだ…』
ベンチから立ち上がると雷光は行き交う神達に驚いた。
『彩佳が食事の準備が出来たから部屋に来いって』
伝言を伝えると雷太はその場を離れていった。
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