美しい神様2

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陽希はアヤメの身体に触れながら『皆に真実を話し謝りなさい、そして雪也と雷光の仲を元に戻してあげて』と言った。 アヤメは手で涙を拭い頷いた。 陽希はアヤメの頭を撫で微笑むと『アヤメ、幸せになりなさい』と言って雷太をチラッと見ると消えていった。 『兄貴!…』 アヤメは近づいてくる雷太に目を向けた。 『どうしてここに』 アヤメは問いかけた。 『泣いてたのか』 『あんたには関係ないだろ、それより何しに来たんだ』 アヤメは雷太に背を向け涙を拭った。 雷太は背を向けているアヤメに抱きついた。 驚いたアヤメは離れようともがいた。 『いきなり何だよ、離せって』 『嫌だ離さない、俺はアヤメに惚れてしまった、俺はアヤメとキスしたい、セックスもしたい』 『何を言って…』 もがきを止めたアヤメは頬を赤らめた。 雷太はアヤメを自分の方に向かせ顎を掴むと『キスをしてもいいですか?』と言った。 頬を赤らめたままアヤメは無言で頷いた。 雷太はアヤメの顎を掴んでいる手を離し顔を見つめた。 『アヤメさん、好きです』 雷太はアヤメの両肩に触れながら唇を重ねた。 その後、アヤメと雷太はアヤメの部屋で身体を重ねた。 ー桜の部屋ー 桜はベットに座りながら眠る蓮の顔を見つめた。 『蓮…』 『うう…ん…』 目を覚ました蓮は桜に目を向けた。 『気分はどうだ?』 『別に何ともないけど』 蓮は身体を起こした。 『そうか』 『桜』 『皆に蓮が目を覚ましたことを伝えてくるから、もう少し寝てろ』 蓮の身体を倒すと桜は部屋を出て行った。 『俺、何で気を失ってたんだろ』 蓮は再び目を閉じ眠りについた。 その頃、雷光は神の海で海を眺めていた。 『……』 『悩みや落ち込んでるとき、海を眺めてたな』 『……』 雷光は振り返り近づいてくる桜を見た。 『心配しなくてもすぐ帰るから』 雷光は海を眺めた。 桜は雷光の隣に立ち『少し話さないか』と海を眺めながら言った。 『どうしたんだ急に』 『1人で辛かったろ』 『……』 突然の桜の言葉に雷光は驚き桜を見た。 『陽希が死んだのはお前を庇ったからだろ…お前が殺したとせめて悪かった』 桜は雷光に頭を下げた。 『誰に聞いたんだ、俺じゃないって』 『陽希が話してくれた、向日葵と紅葉と雪也も知ってる』 桜は言いながら顔をあげた。
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