美しい神様2

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森を抜け海に出た雷光は砂浜を歩いた。 『最後に綺麗な海を見ていくか』 雷光は立ち止まり海を眺めた。 そこへ桜と向日葵と紅葉と雪也が現れた。 『……』 雷光は振り向き桜達を見た。 『雪也がお前に話があるって』 桜は雪也を突きおした。 『……』 『話があるって何だ』 『兄貴…ここに帰ってこないか…』 『嬉しいが、俺は黒の神の家に帰るよ』 『そうか…』 『たまには帰るから、それでいいだろ』 『あぁ』 雪也は笑みを浮かべた。 『……』 雷光は何も言わず砂浜を歩き始めた。 雪也は雷光の後ろ姿をじっと見つめた。 『……』 『他に言いたいことがあるんだろ、言ってこい』 桜が言った。 雪也は走り始め『待ってくれ、兄貴』と言って雷光に駆け寄り腕を掴むと足を止めた。 『どうした?』 『兄貴を悪者にしてゴメン』 『陽希を殺してなくても、俺はシーズンを殺した、その罪は永遠に消えない…だから謝るな』 『兄貴…』 『元気でな、雪也』 雪也の肩に触れると雷光は背を向け砂浜を歩いていった。 『雷光兄貴も元気で』 雪也は雷光の姿が見えなくなるまで見送った。 ー黒の神の家、雷光の部屋ー 彩佳はベットに座って雷光の帰りを待った。 『どこに行ったんだろ…雷光の奴…』 彩佳はぶつぶつ言いながらベットに仰向けで倒れた。 5分後、彩佳は眠気に襲われ目を閉じた。 10分後、部屋のドアが開き雷光が戻ってきた。 そして雷光は彩佳に築きベットに近づいた。 『ちゃんとして寝ないと風邪をひくぞ』 雷光は眠っている彩佳の身体を支えながら真ん中に寝かせると掛け布団をかけた。 彩佳は身体を動かし雷光に背を向けた。 『身体を洗って着替えるか』 雷光は奥に行き浴室に入っていった。 そして雷光は巫女服を脱ぎ全裸になると身体を洗い始めた。 それから暫くして眠っていた彩佳が目を覚ました。 『あれ?』 彩佳は身体を起こし掛け布団に驚いた。 『何で掛け布団が…』 『風邪をひくといけないから俺が掛け布団をかけたんだ』 新しい巫女服姿で濡れた髪をタオルで拭きながら雷光が現れた。 『起こしてくれればいいのに』 『気持ち良さそうに寝てるのに、起こせるわけないだろ』 雷光はソファーに座り髪が乾くまでタオルで拭いた。
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