美しい神様2

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『雷光さん』 『……』 背後から名前を呼ばれた雷光は立ち止まり振り返ると駆け寄ってくる新人の神に目を向けた。 『…はぁはぁ…』 『どうしたんだ』 『白の神が…門の前に…』 『落ち着いて話せ』 『来てください』 新人の神は雷光の腕を掴み門の前に連れていった。 ー黒の神の家の門の前ー 雷光は新人の神達が桜と蓮と向日葵と紅葉と雪也に剣を向けている姿に驚いた。 『お前達、剣をしまえ』 『どうしてですか、こいつらは仲間達を殺したんですよ』 『命令だ剣をしまえ』 『……』 新人の神達は剣をしまった。 『それぞれの部屋に戻れ』 『雷光さん』 『こいつらは俺の友人だ、心配はいらない』 『友人?』 『そうだ、だから部屋に戻れ』 『俺達が話すから新人の神達は森に集まれ』 現れた雷太と彩佳が言った。 『雷太さん、彩佳さん』 新人の神達はいっせいに雷太と彩佳を見た。 『ほら行くぞ』 雷太と彩佳は新人の神達を森に連れていった。 『黙ってきて悪かったな』 桜が口を開いた。 『何かあったのか』 『お前に紹介したくてな』 『紹介?』 『白の神の主、蓮だ』 桜は白黒の巫女服を着た蓮を前に出した。 『よろしくお願いします』 『その服は…』 『俺が桜達に頼んで作ってもらいました』 蓮は袋を差し出した。 『これは?』 『あなたの巫女服です』 『……』 雷光は袋を受け取り中身を見て驚いた。 『主同士はこの巫女服でいいですよね』 『……』 嬉しくて雷光は涙を流した。 『どうしたんですか?』 『嬉しくて』 『その服を着て明日、雷太と彩佳と新人の神達を連れて白の家に来てくれないか』 桜が口を開いた。 『家に?何かあるのか』 『仲直りのパーティをするんだよ』 『パーティ…』 『蓮が決めたんだ』 『来てくれますよね』 蓮は微笑んだ。 『行きます』 『待ってます』 蓮は桜と向日葵と紅葉と雪也と共にその場を離れていった。 雷光は袋を持って家の中に入ると部屋に行った。 そして雷光は袋から白黒の巫女服を出すと黒の巫女服を脱ぎ始めた。 『あいつら器用だったんだな』 雷光は白黒の巫女服を着て鏡の前に立った。 『……』 雷光は鏡を見ながら再び嬉し涙を流した。
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