美しい神様2

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『雷太、誰にやられたんだ』 桜は雷太の身体を支えながら問いかけた。 『桜、傷の手当てをしてやってくれ』 雷光は剣を見ながら言った。 『そうだな』 桜は雷太の身体を支えながら蓮と彩佳に近づいた。 剣の持ち主に心当たりがある雷光は険しい顔で歩き始めた。 『雷光、どこに行くんだ』 桜が問いかけた。 『雷太のこと頼む』 雷光は再び歩き始めた。 桜と蓮と彩佳は雷太を桜の部屋に運びベットに仰向けで寝かせた。 『桜、彩佳さん、動かないようにおさえてて』 『わかった』 桜は両手を掴み、彩佳は両足を掴んだ。 『治療を始めます』 蓮は両手を横腹の傷に向け力を送った。 その頃、雷光は黒の神の家に戻り倒れている神達とアヤメの姿に驚いた。 『アヤメさん…』 『久しぶりだな雷光』 『お前達がやったのか』 雷光は振り返り2人の男を睨んだ。 『そんな怖い顔をするなよ』 『彩佳は元気か』 『なぜ、こいつらを殺した』 雷光は男を睨みながら立ち上がった。 『だってあいつらお前を殺さないんだもん、だから俺がやるしかないだろ』 『陽希が余計なことを言って仲直りさせやがって』 『お前らが桜達と雪也とアヤメに俺が陽希を殺したと思うように仕向けたのか』 『当たり…』 『なぜそんなことを?』 『お前が俺達から彩佳を奪ったからだ』 男は一瞬で雷光に近づき剣で肩を斬りつけた。 雷光は剣で剣を防いだ。 『義巳、彩佳は自分で決めて俺のところに来たんだ、間違えるな』 雷光は剣で攻撃をすると義巳の腹を蹴り飛ばした。 『……』 目が眩んできた雷光は剣を地面に突き刺し膝をついた。 『毒が効いてきたみたいだな』 『毒?…』 雷光は倒れ義巳を見つめると目を閉じた。 『陸、行くぞ』 『彩佳に会わなくていいのか』 『彩佳から会いに来るさ』 義巳と陸はその場から離れていった。 ー桜の部屋ー 無事に雷太の傷を治した蓮は力を使いすぎ倒れた。 『蓮』 桜は蓮の身体を抱き起こした。 『雷太は私が見てるから、蓮さんを休ませてあげて』 『隣の部屋にいるから雷太が目を覚ましたら知らせてくれ』 桜は蓮を抱きかかえ部屋を出ると隣の部屋に行った。 彩佳は雷太の手を握りながら心配そうな顔で雷太の顔を見つめた。
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