美しい神様2

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『…アヤメ…』 『雷太…雷太…』 彩佳は手を握りながら何度も名前を呼んだ。 暫くして目を覚ました雷太は彩佳に目を向けた。 『彩佳、兄貴に知らせないと』 雷太は身体を起こし彩佳にしがみついた。 『動いちゃダメ』 『2人の男が突然、現れて新人の神達とアヤメを殺したんだ…彩佳…兄貴に…』 雷太は彩佳にしがみついたまま気を失った。 『雷太…』 雷太をベットに仰向けで寝かせると彩佳は部屋を出て隣の部屋に行った。 『桜、ちょっといい?』 『雷太が目を覚ましたのか』 『うん…』 『廊下で話そう』 桜と彩佳は部屋を出て行き廊下で桜が口を開いた。 『何かあったのか』 『突然、2人の男が現れて新人の神達とアヤメを殺したって雷太が…』 『雷光!…彩佳、雷太と蓮を頼む』 桜は急いで黒の神の家に向かった。 ー黒の神の家、門の前ー 『…彩佳に…知らせないと…』 雷光は立ち上がり剣をつきながらゆっくりと歩き始めた。 『雷光!』 『……』 足を止めた雷光は前方から走ってくる桜を見つめながらうつ伏せで倒れた。 桜は雷光の身体を支えながら仰向けに向けた。 『雷光、しっかりしろ』 『…雷光…彩佳に逃げろと伝えてくれ…』 雷光は桜の腕の中で目を閉じた。 『雷光、死ぬなよ』 桜は雷光をおんぶし白の神の家に向かった。 その頃、彩佳は雷太の寝顔を見つめていた。 『……』 『彩佳さん』 『蓮さん、起きても大丈夫なんですか』 『はい…それより桜を知りませんか?』 『桜は…』 彩佳が言いかけたその時、向日葵を呼ぶ桜の声が聞こえた。 蓮と彩佳は部屋を出で雷光をおんぶしている桜に驚いた。 『雷光…』 『桜…』 『蓮、向日葵を呼んできてくれないか』 『わかった』 蓮は向日葵を呼びに行った。 『彩佳、話がある』 桜は雷光をおんぶしたまま蓮の部屋に行きベットに近づくと雷光を仰向けで寝かせた。 『桜、雷光に何があったの』 『気を失うとき雷光が言ったんだ、彩佳に逃げろと伝えてくれと…それとこの剣』 桜は剣を彩佳に差し出した。 剣を受け取った彩佳は剣を見て驚いた。 『この剣は…お兄ちゃんの…まさか2人の男って陸とお兄ちゃんのこと』 『陸って誰だよ、それにお前、兄貴がいたのか』 『桜、向日葵さん連れてきたよ』 蓮と向日葵が部屋に現れた。
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