美しい神様2

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『彩佳にやられたのが効いたんだな』 陸は椅子に座り心配そうな顔で義巳を見つめた。 『陸…そんな顔をするな』 目を閉じたまま義巳が言った。 『義巳…』 『俺のせいでお前と彩佳は別れた、今でも彩佳が好きなんだろ…だから俺は…』 『もう喋るな、身体を休めろ』 陸は義巳のおでこにキスをし義巳を眠らせた。 陸はソファーに近づき座ると目を閉じた。 その頃、雷光は向日葵の治療で助かり目を覚ました。 『向日葵…』 『毒を抜いたから大丈夫だろ』 『ありがとう』 『雷光』 『桜…』 桜に目を向けると雷光は身体を起こした。 『寝てなくていいのか』 『雷太は?』 『心配しなくても雷太は蓮が見てる』 『彩佳はどこだ』 『彩佳なら用事があると言って出掛けていったけど』 『彩佳が危ない』 雷光はベットからおりふらついた。 『まだ寝てないと』 桜は雷光の身体を支えた。 『桜、雷太のこと頼むな』 『俺も行く』 『俺、1人で大丈夫だ』 『ふらついてるやつがよく大丈夫とか言えるな』 桜は雷光の身体を支えながら向日葵を見た。 『蓮さんには俺から話しておく』 『ありがとう』 桜は雷光の身体を支えながら部屋を出ると義巳の元に向かった。 ー未熟の神の国ー 『雷光、ここはどこだ』 雷光を支えながら桜が言った。 『彩佳が生まれた国だ』 『……』 『あそこが義巳の家だ』 『雷光、何で知ってるんだ』 『大人になるまでここで過ごしたんだ、彩佳もその時に知り合った』 『……』 『桜はここにいろ』 桜から離れ雷光は義巳の家の門の中に入りドアを叩いた。 暫くしてドアが開き陸が現れた。 『怪我は大丈夫か』 『彩佳がいるだろ、迎えに来た』 『どうぞ』 陸は雷光を義巳の元に連れていった。 『陸、彩佳はどこだ』 『助かったんだな雷光』 ベットで寝ていた義巳は身体を起こし雷光を見つめた。 『向日葵のお陰で俺は助かった、それより彩佳はどこにいる』 『彩佳?知らないなぁ…』 『彩佳がいるのはわかってる、言わないとお前を殺す』 雷光は義巳に近づき剣を突きつけた。 『義巳さん』 陸が叫んだ。 『陸、会わせてやれ』 義巳は雷光に剣を突きつけられながら言った。 『わかりました、雷光、ついてこい』 陸は雷光を小屋に連れていった。
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