美しい神様2

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蓮は奥の席に行き『お待たせしました』と雪也に言って向かい合って椅子に座った。 『いらっしゃいませ』 女性店員が来ると蓮はカツサンドと珈琲を頼んだ。 『カツサンドと珈琲…あとは宜しいですか?』 『雪也さんは?』 『俺はいいです』 『じゃあ、それで』 『かしこまりました』 女性店員はその場から離れていった。 『店に来たときから気になってたんですが、その薔薇…』 『蓮さん』 『はい』 『店にこの男が薔薇を買いに来ましたね』 雪也は雷太の写真を蓮に見せた。 蓮は雷太の写真を見て『買いに来ました』と答えた。 その時、女性店員がカツサンドと珈琲を運んできた。 『お待たせしました、カツサンドと珈琲ですね』 女性店員はカツサンドがのった皿と珈琲カップをテーブルの上に置きその場から離れていった。 『何かあるんですか?』 カツサンドを食べながら蓮が言った。 『この男は雷太といって危険な男なんだ』 『危険な男?』 『そう…雷太は危険な男なんだ…』 雪也は悲しげな顔をした。 『何かあったんですか?』 『君と桜の結婚式をあげた1ヶ月後、陽希が雷太に殺されたんだ』 『え!』 『蓮さん…』 『桜は知ってるんですか?』 『知らない…桜には言わないでくれ』 『……』 『今度はあなたを狙ってる気を付けてください』 雪也は椅子から立ち上がり喫茶店を出て行った。 それから暫くして蓮はカツサンドと珈琲のお金を支払い喫茶店を出て行った。 『雪也さんと雷太って人のこと桜に話すべきか話さないべきか』 歩きながら蓮は悩んだ。 『蓮!』 『……』 背後から名前を呼ばれた蓮は立ち止まり振り返った。 『桜…』 蓮は仕事情報誌を持って近づいてくる桜に驚いた。 『今、帰りか』 『うん…』 『どうしたんだ?』 元気のない蓮に桜は問いかけた。 『何でもない、早く家に帰ろ』 蓮は桜の手を掴み家に向かって歩き始めた。 この時、桜は嫌な予感を感じ始めていた。 ー蓮と桜の家、寝室ー 桜と蓮はベットの上で全裸で口づけを交わしながら身体を重ねた。 『桜、愛してる』 『俺も愛してる、蓮』 桜は気を失うまで蓮の身体を抱いた。 それから暫くして桜は眠っている蓮を起こさないようにベットからおり衣服を着ると出掛けていった。
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