美しい神様2

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『桜…』 『蓮、あいつにされたこと忘れろ』 『……』 『蓮』 桜は真剣な顔で蓮の顔を見つめた。 『……』 蓮は無言のまま桜から顔をそらした。 『蓮』 桜は蓮を地面に倒し舌を絡ませながら唇を重ねた。 『んん…』 蓮は桜の両肩を押し離し顔をそらした。 『どうしたんだ、蓮?』 『ゴメンナサイ…』 蓮は身体を起こし立ち上がると背を向けた。 桜も立ち上がり『そんな気分じゃないよな、ゴメン』と言って桜は蓮の背中を見つめた。 『桜、俺達、別れよ』 『何を言ってんだ、蓮』 桜は蓮の肩を掴み振り向かせると涙に驚いた。 『……』 『本気じゃないよな』 『ゴメン、桜』 『蓮…』 『桜は忘れろって言うけど、俺は忘れられない…ゴメンね、桜』 蓮は左の薬指にはめている指輪をはずし桜に渡すと蓮は森を歩き東京に帰っていった。 癒しの森から戻った桜は自分の部屋に閉じこもった。 『蓮…』 『桜、入るぞ』 雷光と雷太と雪也と彩佳が部屋に入った。 『何か用か…』 蓮はベットに近づき仰向けで倒れた。 『蓮さんは癒しの森にいるのか』 『蓮は東京に帰ったよ』 『東京に帰ったってどういうこと』 彩佳が問いかけた。 桜は身体を起こし『俺達、別れたんだ』と言って蓮の指輪を床に捨て再び倒れた。 『別れた…』 彩佳は驚き言葉を失った。 『別れたってどうして?』 『俺があいつに乱暴されたこと忘れろと言ったんだ、そしたら…』 『何でそんなことを言ったんだよ』 雪也は桜の胸ぐらを掴みながら身体を起こした。 『……』 『黙って支えるのが男だろ、今すぐ蓮さんを連れてこい』 『うるさいなぁ、1人にしてくれないか』 桜は雪也の手を払い除け背を向けたまま身体を倒し目を閉じた。 その頃、蓮は桜の木がある公園に現れた。 『帰ってきたんだ…』 『兄貴?』 『……』 蓮は振り向き買い物帰りの蓮実とあった。 『蓮実か…』 『久しぶりだな、元気にしてた』 『…うん…』 蓮は悲しげな顔でうつ向いた。 『久しぶりに再会したんだ今から家に来ないか』 『いいのか、俺が行っても』 『今は俺、1人だから』 『彼氏はどうしたんだ』 『別れたんだ』 『そうか…』 蓮は蓮実と共に蓮実の家に向かった。
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