美しい神様2

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『どうしてここに、俺の後をつけてきたんですか』 『俺はあなたのこと知りません、誰かと間違えてるのでは』 『……』 『血圧をはかりますから、気持ちを落ち着かせてください』 義巳は蓮の手首に触れた。 『……』 『息を吸って…吐いて…』 義巳は蓮の手首に触れながら何度も言い蓮の気持ちを落ち着かせた。 『……』 『脈が落ち着きましたね、血圧をはかりましょう』 『先程はすみませんでした、あなたが嫌な男に顔と名前が似てたから』 『気にしてないから謝らないでください…』『……』 『血圧も安定してるから休めば大丈夫でしょう…』 『ありがとうございます』 『今はゆっくり休んでください』 義巳は血圧の道具を鞄の中に入れ立ち上がると寝室を出ていった。 『蓮実』 義巳はキッチンで料理を作っている蓮実に声をかけた。 『やっぱり貧血で倒れたのか』 『そうだな、ゆっくり休めばいいと思う』 『飯、食うだろ』 『今日はおとなしく帰るよ』 『そうか…』 『せっかく兄弟が再会したんだ、楽しく過ごせよ』 『うん』 蓮実と義巳は口づけを交わした。 そして義巳は家を出ていった。 それから暫くして料理を作り終えた蓮実は料理が盛った皿をテーブルに置き始めた。『兄貴、食べれるかな』 蓮実はテーブルから離れ寝室に行った。 そして蓮実は眠っている蓮に近づいた。 『……』 蓮実は寝ながら涙を流す蓮の姿に驚いた。 その後、蓮実は寝室を出ていった。 『桜さんと何かあったのかな』 蓮実は桜公園に出掛けていった。 ー桜公園ー 蓮実は桜の木を見つめながら念じた。 『桜さん、俺の声が聞こえたら会いに来てください、兄貴のことで話があります』 蓮実が言ったその時、風が吹き蓮実は振り返った。 『久しぶりだな、蓮実君』 『雪也さん…どうしてあなたが…』 『桜は来ない』 『兄貴から聞きました、兄貴と桜さん別れたそうですね』 『あぁ…』 『何があったんですか?』 『人のいないところで話さないか』 雪也は蓮実を連れて人がいない場所に向かった。 ー廃墟ビルー 『蓮さんは俺の兄貴の知り合いの男に桜の目の前で乱暴されたんだ』 『……』 『それがきっかけで蓮さんは桜に別れを告げたんだ』 『……』 蓮実は驚き言葉を失った。
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