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『蓮さん…』
雷光は蓮の側にいる義巳に目を向けた。
『どうして義巳がいるんだ』
『彼は蓮実の知り合いで医者の義巳さんです』
『医者?』
『それより桜は…』
『私が案内します』
現れた彩佳が言った。
『話はあとでしますから、義巳さんをお願いします』
義巳を雷光に任せると蓮は彩佳と共に桜がいる部屋に向かった。
『……』
雷光は義巳を警戒しながら口を開いた。
『お前、医者なのか』
『はい、総合病院で働いてます』
『……』
『蓮さんから聞いたんですが、俺に似た人がいるそうですね、しかもその人は蓮さんに嫌なことをしたんでしょ』
義巳が言ったその時、神の義巳と陸が現れた。
『何しに来たんだ』
雷光は義巳を守るように立った。
義巳に築いた神の義巳と陸は顔に驚いた。
『義巳にそっくりだ』
『あぁ、驚きだ』
『お前は中に入ってろ』
雷光は後ろの義巳に小声で言った。
『中に…』
『俺が戻るまで出てくるな、わかったな』
『はい』
義巳はその場を離れ家の中に入っていった。
『神ではない者がいるということは蓮がいるんだな』
神の義巳は剣を掴んだ。
『義巳』
『陸、お前は蓮をさらってこい』
『わかった』
陸は家に向かった。
『行かせるか』
雷光は陸を追いかけ神の義巳は雷光の前に現れ剣で動きを止めた。
『お前の相手は俺だ』
『……』
雷光は剣を掴み神の義巳と戦った。
その頃、義巳は廊下をさ迷っていた。
『蓮さん、どこにいるんですか…返事をしてください』
『何をしている』
『……』
声をかけられた義巳は立ち止まり近づいてくる向日葵を見た。
『蓮さんを探しているんですが、どこにいるか知りませんか』
『桜の部屋に……危ない』
飛んでくる矢に向日葵は義巳に覆い被さりそのまま倒れた。
『……』
弓を持ったまま陸は倒れている向日葵と義巳を見つめた。
そして陸はとどめをさそうと矢を向日葵の背中に向けたその時、『やめなさい』と言って彩佳が現れた。
『彩佳、蓮の居場所を教えろ』
『教えるわけないでしょ』
『仕方ないな、お前を傷つけたくなかったんだが』
『向日葵、彼を蓮さんの元に』
彩佳は剣で陸に戦いを挑んだ。
向日葵は身体を起こし義巳に『大丈夫か』と言って立ち上がった。
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