美しい神様2

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『はい』 義巳も立ち上がった。 『行くぞ』 向日葵は義巳を連れて桜がいる部屋に向かった。 その頃、蓮は椅子に座って桜の手を握りながら眠る桜の顔を見つめた。 『桜…』 『…蓮…』 『桜!』 『帰ってきてくれたのか』 桜はゆっくりと身体を起こした。 『起きて大丈夫なのか』 蓮は椅子から立ち上がった。 『蓮』 桜は蓮を抱き締めた。 『桜…』 『俺のところに戻ってきてくれないか』 『…ゴメン、それはできない…』 『なぜだ』 桜は蓮の顔を見つめた。 その時、義巳を連れて向日葵が部屋に入ってきた。 蓮と桜は驚きながら義巳と向日葵を見た。 『待っててくださいと言ったのにどうして』 『義巳と陸が現れたんだ、雷光と彩佳が相手をしている…蓮さん、部屋から出るなよ』 向日葵は部屋を出ていった。 『蓮…そいつは…』 桜は義巳をチラッと見た。 『彼は義巳さんといって蓮実の知り合いでお医者さんだ…』 『医者?』 『はい、総合病院で働いてます』 義巳は桜に近づき桜の手に触れた。 『何を…』 『脈をはかってます、大丈夫、乱れていません』 義巳は手を離した。 桜はベットからおりドアに向かった。 蓮は桜の手を掴み『どこに行くんだ』と言った。 『お前はここにいろ』 『せっかく元気になったのに、今、動いたらまた倒れるぞ』 『心配いらない』 『桜…』 蓮が叫んだその時、気配を感じた桜に押し倒されその後、ドアが壊れ陸が現れた。 『大丈夫ですか』 義巳は倒れた桜と蓮を立たせた。 『一緒に来てもらおうか』 陸が動くと義巳は桜と蓮の前に立った。 『邪魔だ』 陸は桜と義巳を突き飛ばし気絶させた。 『桜、義巳さん』 『さあ、行くよ』 陸は蓮の腕を掴みその場から消えると神の義巳の元に向かった。 雷光と神の義巳は激しく戦っていた。 そこへ蓮を連れて陸が現れた。 『義巳、手に入れたぞ』 『蓮さん!』 雷光は戦いながらよそ見をした。 『よそ見をするな』 義巳は雷光の身体に剣で切りつけ蹴り飛ばした。 『雷光さん!』 蓮は叫んだ。 神の義巳は蓮に近づき顎を掴むと自分の方に向かせ『やっと手に入れた』と言って唇を重ねた。 神の義巳の身体を突き放すと蓮は頬を叩いた。
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