美しい神様2

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そして雷光と雪也と蓮と義巳は遠くまで走って逃げた。 『はぁはぁ…』 『頑張って蓮さん』 『はい』 手を繋いだまま走る蓮と義巳を前を走っている雷光と雪也は怪しく思っていた。 『ここまで来れば大丈夫だろ』 雷光達は森の中で立ち止まった。 『もう、手を離してもらえないでしょうか』 『…ゴメン…』 義巳は慌てて手を離した。 蓮は石に近づき座った。 『……』 『大丈夫ですか?』 『…大丈夫です…』 『……』 義巳は蓮を抱き締めた。 『あの?…』 『脈が乱れてるから、落ち着くまであなたを抱き締めます』 『……』 蓮は義巳の腕の中で目を閉じた。 『雪也、2人を頼む』 『どこに行くんだ』 『様子を見てくる』 雷光は前方に歩いていった。 雪也は木にもたれながらチラッと義巳と蓮を見た。 その頃、神の義巳はベットに目を向けていた。 『逃げたか』 神の義巳は笑みを浮かべた。 『逃げられるなんてドジだな』 『陸、東京に行くぞ』 『東京?』 『あぁ、準備が終わったら森に来い』 神の義巳は部屋を出て出口に向かうと外に出ていった。 その頃、森の中の雷光と雪也と義巳と蓮は歩いていた。 そして雷光と雪也と義巳と蓮は森を抜け左右に咲いているいろんなチューリップに驚き立ち止まった。 『綺麗なチューリップ』 蓮はチューリップを見つめながら微笑んだ。 『どの色が好きですか?』 『赤と白かな』 蓮が答えると義巳は赤のチューリップと白のチューリップを1本ずつ抜き蓮に差し出した。 『どうぞ』 『ありがとうございます』 蓮はチューリップを受け取った。 『行くぞ』 雷光と雪也は先に歩き始めた。 『蓮さん行きましょう』 『はい』 蓮と義巳も歩き始めた。 『あいつ蓮さんのことが好きなんじゃないのか』 『兄貴もそう思ったか』 『お前も?』 『あぁ…桜に何て言うんだ』 『桜には内緒にしとこう』 雷光達は歩き続けた。 ー桜の部屋ー 『うう…』 治療を終えた傷を痛む桜に彩佳が口を開いた。 『まだ痛むの?』 『あぁ…』 『服を脱いで背中を向けて』 『全部、脱ぐのか』 『上半身だけでいい』 『わかった』 桜はベットにあがり座ると上半身だけ巫女服を脱ぎ彩佳に背中を向けた。
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