美しい神様2

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『もしかして兄貴のやつ本気になったのか』 雷太が口にしたその時、彩佳が部屋に現れた。 『雷太は知らないだろうけど、桜の妻は雷光の好みのタイプよ』 『お前よく知ってんな』 『私が知ってるのは雷光だけよ』 『そうだよな、お前は雷光兄貴に惚れてるもんな』 『私が思ってることを言ってもいい?』 『何だよ』 『彼のこと本気でしょ』 『……』 雷太は彩佳に背を向けた。 『彼をものにしたいなら協力するわよ』 『……』 雷太は振り返り彩佳に目を向けた。 ー寝室のベットー 桜はベットに座って蓮の携帯を悲しそうな顔で見つめていた。 『蓮…』 『俺に可愛がられてると聞いて悲しんでるのか』 『……』 声が聞こえ正面に顔を向けた桜は現れた雷光に目を向けた。 『久しぶりだな』 『雷光』 桜は携帯を床に落とし雷光に向かっていくと胸ぐらを掴みながら壁に押しつけた。 『怒ってどうしたんだ』 『蓮はどこにいる?』 『雷太の部屋だ』 『蓮を返してもらう』 『嫌だと言ったら』 『地獄に送ってやる』 『……』 胸ぐらを掴んでいる桜の手を離れさせると雷光はベットに近づいた。 『このベットで毎晩、愛し合ってるのか』 『雪也は知ってるのか、無人島から戻ったことを』 『雷太は雪也と会い話をしたと言っていたな…俺はまだ、会っていない』 『雪也は一生、お前と雷太のことを許さないだろ…俺も許さない』 『俺がお前の妻を可愛がったからか』 『そうだ…』 『桜…』 小さな剣を手に掴むと雷光はその剣で桜の腹を刺した。 『雷…光…』 桜は床にうつ伏せで倒れた。 『これからは俺が蓮を愛してやる、お前は安らかにあの世に行け』 雷光は血のついた小さな剣を床に置きその場から消えていった。 まだ意識がある桜は蓮の携帯に手を置きシーズン達に気を送り意識を失った。 ーシーズンの部屋ー 弱った桜の気を感じ取ったシーズンは雪也と新人の神、アヤメを部屋に呼んだ。 『シーズン様、何かご用でしょうか?』 『さっき弱った桜の気を感じた、桜の身に何か起きたのかもしれない、雪也とアヤメ、桜の所に行ってくれないか』 『わかりました』 雪也はアヤメを連れて桜の家に向かった。 ー雷太の部屋ー 目を覚ました蓮は全裸から衣服に着替え誰もいない部屋から出て行った。
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