第1章

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某日某高校。 校庭の桜が満開に達し春の日差しが暖かいこの良き日に、僕らは遂に卒業を迎える。長いようで短い三年間、此処から僕らは誰に追従するでもなく、別々の道を歩んでいく。 かく言う僕もその一人。明日には遠く離れた異国の地で一人、勉学に勤しむ身となる。此処で共に学んだ者達と会う事は難しくなるだろう。 「君とも今日でお別れとなると寂しい物だね。」 「…やっぱり嫌。貴方と別れるなんて…絶対に嫌。」 「引き留めてくれるのは嬉しいけど、悪いが僕が望んだ道だよ。」 「それでも!…私は貴方と別れるなんて…私……私…!」 「はぁ…分かったよ。メールも電話も毎日しよう。写真も毎日送ろう。…それでいいかい?」 引き留めてくれる彼女は涙を浮かべ、僕との別れを惜しんでいる。それにしても… 「お元気で…お姉さま。」 「君のその思考を治せなかったのが唯一の心残りだよ」 女子高の恋愛事情は何処か間違っている。
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