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「何時まで泣いてんだよ」
「だって…」
彼女の涙が、夕陽に光る
「良し、俺が嬉し涙に変えてやる」
「へ?」
彼女が俺を見る、俺も彼女を真っ直ぐ見る
「俺と結婚して下さい!」
「へ?」
彼女と俺は、高一から付き合って、三年になって学校に内緒で同棲していた
「ちゃんと伝えてなかったからさ、返事も欲しかったから」
彼女が、少し驚いた顔で俺を見ている
「俺の人生の卒業式が来るその日まで、ずっと守る、ずっと幸せにする、だから結婚して下さい!」
俺は、彼女に向かって頭を下げた
「あ……」
彼女が、何かを言おうとしていた
俺は、黙って頭を下げたままで待つ
「はい…」
顔を上げると、彼女は一番の笑顔で涙を流していた
完
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