第1章

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B「今日でお別れだね。」 この三年間ずっと君と一緒にいた。 だからこそ…。 A「え?また私が会いにこればいいじゃない。」 どうしてとキラキラの君の目が語る。 B「僕は今日、君と一緒に卒業することにしたんだ。」 努めて笑顔で返したのに、君は悲しそうだね。笑ってくれると嬉しい、と君が言ったんだよ。 A「そっか…。」 どうして泣くの? B「僕と一緒が、嬉しくない?」 A「そんなわけないでしょ!?っていうかもう私も卒業したんだから、あんたも早く行きなさいよ!今なら特別に笑って見送ってあげるわ。」 そうだね、そろそろ行こうか。 B「ありがとう、僕を見つけてくれて…。」 空気に溶けていく僕の体。 だんだんとこみ上げてくる涙を堪える。 最後に君を見たい。 下げていた顔を上げる。 ああ、なんだ。 A「こっちこそ、ありがとう…。」 君も泣いてるんじゃないか…。
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