第1章

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梓は咎めるように僕のむき出しの傷口を睨んだ。 「……あいつが、待ってる」 「保、あのバイク事故、わざと起こしたんでしょ?」  僕はその場に固まったまま、目を見開いた。 「高校時代からずっと椎菜と保を見てきたんだよ。他の人にはわかんなくても、私にはわかる」  梓はごそごそと自分のバッグの中に手を入れ、何かと取り出すと、微動だにしない僕に、そっと差し出した。 「これは……」 「椎菜から預かってた手紙だよ。保が自暴自棄になることがもしあったら渡してほしい、って言われてた」  濃紺の封筒には銀の細かい粒がまんべんなく散っている。 たぶんスターダストをイメージしたものなんだろうけれど、僕にはそれはダイヤモンドダストに見えた。  対になっている便箋をその中から引っ張り出す。
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