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僕はゲーム機から顔を上げずに答える。
まだ一緒に帰ることに照れくささが残り、ちらほらとうちの高校の制服が見える通学路を二人並んで歩くのが恥ずかしかった。
「昔さ、この街にダイヤモンドダストが降ったことがあるんだって。ほんの短い時間だったらしいけど、その時、一緒にそのダイヤモンドダストを見たカップルは生涯幸せになれたんだってよ。その年、結婚率がすごく上がったんだってー」
「へえ」
「ねーえ! じゃあダイヤモンドダストってなんだか知ってる?」
「知らねえ」
「もう……。大気中の水蒸気が昇華して、氷の結晶になるんだよ。それが日光に照らされてきらきら光るの。細かい氷の結晶がダイヤモンドみたいに輝くんだよ。光る粉雪みたいな感じなのかな」
「ふうん、そんなの、いつの話だよ」
「おばあちゃんが子供の頃に見たんだってよ。おじいちゃんと一緒に」
「へえ、すげえな」
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