僕とおばあさん。

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そうスッキリとしていた。 周りを見渡したが僕の死体はなかったので、多分意識のないまま浮遊していたらしい。 気がつくと、都内の交差点で幽霊になった体を起こしたのだ。 「おばあさん、どんどん弱っていくね」 「まあ、もう歳ですもの」 とにかく僕は物や人には触れることは出来ないし、会話も出来ない。 何せ周りは聞こえていないのだから。 たまに断片的な何かや、僕を呼ぶ声が聞こえるがだめだ。 建物も車も何もかもすり抜ける僕の体。 --ああ、死んだのか。 と、不思議なくらいそれを受け入れ冷静な自分がいた。 それから僕は自分のことがある程度理解出来ないことに気付き、住所、両親や兄弟がいたのかさえも思い出せないでいる。 何故か朝ご飯にファーストフード店に寄ったことだけは薄らと覚えていた。 そうだ。 確か朝メニュー。 コーラとポテトのSサイズ。 ベーコン卵エッグ、レタスとトマトの挟まったハンバーガーを食べたかもしれない。 「……」 自分がどうして未だに成仏出来ずにこうしているかの意図もわからず、とにかく毎日時間だけを持て余す。 「ねえ、僕のこと見えてる?」 呪文のように繰り返し口癖になってしまった言葉。
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