まつとしきかば いまかえりこむ

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私たち夫婦が初めてあの子と会った時、あの子は本当に小さかった。 とても警戒心が強く、私たちが近づくとすぐに首をすくめ自分の部屋へ隠れた。 それでも私たちが用意する食事は何でもよく食べた。 そのおかげかスクスクとよく育った。 私たちはその姿を見ているだけでとても幸せな気持ちになった。 あっという間に大きくなり、いつからか私たちを見ても逃げなくなり、 散歩に行く私の後をついて歩くようになった。 体の大きなあの子が歩くと自然と人が集まった。 特に子どもたちには大人気だった。 子どもに恵まれなかった私たちにとって、もう我が子同然だった。
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