32人が本棚に入れています
本棚に追加
ラララ~ララ~♪
軽快なリズムと共に私を呼ぶ携帯
〈着信:友梨〉
友梨(ゆり)は友達の友達。
たまに友達を通して遊ぶぐらいで特別、仲が良いって訳でもない。
「はいはい?」
「久しぶり!元気してた?」
「元気だよ」
正直な所、私は友梨が苦手だ。
友梨は私とは少し人種の違う人間だから…
「あのさぁ~…
絵美ちゃんって今彼氏いる?」
「いや…いないけど?」
どうせ【紹介したいやつがいる】とか言うんでしょ?
「本当に!?なんかさぁ~この間とったプリクラあるじゃん?それ見て絵美ちゃんに一目惚れしたやつがいてさぁ~!紹介しろってウルサいんだ~!」
ほらね、友梨はそう言う時しか連絡してこない。
「ん~どんな人?」
せっかくだし話に食いついてみた
プリクラを見て一目惚れ?
あんなのプリクラマジックじゃん
光の加減とかで不細工も可愛く見えちゃったり…
デブでも細く見えたり…
そんなんで一目惚れしたなんて馬鹿じゃないの?
「私の元彼の友達なんだけどさぁ~!一回しか見たことないけど、なかなかのイケメン君だよ!」
ふ~ん。
イケメンなら見てみたいものだ。
「分かった。番号教えていいよ」
「わかったぁ~!じゃっ!またねぇ~」
要件はそれだけ?
せめて【また遊ぼうよ】ぐらい、お世辞でも言えないの?
友梨とはやっぱり仲良くなれそうにないな…
電話を切り時計を見ると
PM10:00
そろそろ出掛けるか…
私は携帯をカバンに投げ入れると家を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!