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凌は必死に気持ちを落ち着かせようと小さくうずくまった。
そうしたまま、どれぐらいの時間が過ぎたのだろう。
気付けば消灯時間を迎えていた。
「消灯~ッ!!」
監視員の合図と共にパッと明かりが消えた。
と言っても少し明るい。
等間隔で見回りに来る監視員の為に真っ暗にはならないのだ。
だが明かりが消えた事で少しずつ気持ちも落ち着き体は薬を欲しがる事を諦めた。
しかし眠れない。
寝れないな…
寝心地の悪い布団に横になると凌はただただ天井を見つめながら様々な事を思い返していた。
仲間と行った旅行…
彼女と過ごした日々…
何があっても優しかった家族…
みんなの顔が浮かんでは消えていく。
俺は何をしているんだ…
皆を悲しませた。
皆…ごめん。
俺…絶対に更生するから…
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