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無事に我が家へとたどり着き、私は慣れた手付きで車を停めた。
エンジンを切り車から降りると目の前には凌を乗せた車。
私は後部座席の扉を開き
「お邪魔しま~す」
と笑顔で乗り込んだ。
運転席にはヒゲの生やした男。
名前は誠治と言うらしい。
助手席には凌。
車内には煩いくらいの音楽がかかりノリの良い曲が体に響いてくる。
黒で統一されている内装に眠たくなるほど座り心地の良い座席。
まるでセレブになった気分だ。
そんな私に誠治が声をかけた。
「友達から連絡きた?」
一瞬にして現実に戻された私は慌てて「あ…電話してみるよ」と音楽にかき消されない様に少し大きな声で答える。
鞄から携帯を取り出し唯に電話した。
プルルル…
片耳を押さえながらも携帯を耳に押し当てる。
「はいよ~」
陽気な唯は思ったより早く電話にでた。
「唯?準備どう?」
「OKだよ!」
「じゃっ迎えに行くね」
電話を終え、誠治に唯を迎えに行く様にお願いをすると誠治は快く了解し、唯の家へと向かってくれた。
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