11人が本棚に入れています
本棚に追加
凌と私はド真ん中の席に案内され腰を下ろすと宴会は始まった。
私はウーロン茶を注文しドンドン運ばれる食事に遠慮しながら箸を付けていた。
目の前にある唐揚げにポテト…
あっちにある焼き鳥も食べたいけど…
少し遠くにある焼き鳥は諦めようと箸を引っ込めた。
「俺っ取りますよ!何が良いですか?」
突然、声をかけられ
顔を上げると…
幼さ残る16歳ぐらいの子が私に笑いかけていた。
「あ…大丈夫です…」
焼き鳥は取って欲しいけど…
気まずい…
「じゃ~適当に取ってきますね!」
「いや…大丈夫…」
そんな会話をしていると彼の隣にいたもう一人の男性が
「彼女さん!気にせず取ってもらいなよ!」
と言いながら16歳であろう彼の頭をポンポン叩いている。
「あ…はい。」
申し訳なさそうに私は答えた。
16歳の彼は私の言葉を聞くと笑顔で沢山の料理を皿に乗せていく。
遠くの席にあるサラダや焼き物…勿論、焼き鳥も…
「ありがとうございます…」
彼から沢山の料理がのった皿を受け取ると静かに目の前に置いた。
その光景を見ていた凌は
「のぶ!ありがとな!」
と彼にお礼を言う。
どうやら16歳の彼は【のぶ】と言うらしい。
「凌くんには、いつもお世話になってますから!これぐらいさせて下さいよ!」
そう言うと彼は自分の席へと戻っていった。
最初のコメントを投稿しよう!