正体

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私は料理を口に頬張りながら周りを見渡した。 どうやらここにいる女性は、みんな誰かの彼女や奥さんみたいだ。 子供を連れてる夫婦もいる。 「例の彼女さん?」 またもや突然話しかけられた。 「えっ?例のって?」 私が聞き返すと、すかさず凌が会話に入ってきた。 「快渡(かいと)!お前、絵美に変な事言うなよ!」 「お~怖っ!良いじゃんかぁ!お前の彼女と仲良くさせてよ!」 「嫌だ!」 そんなやりとりが可笑しくて私はクスクス笑っていた。 「お前のせいで彼女さんに笑われちゃったじゃんかよ~!」 「俺のせいじゃないだろ!」 「ふ~ん。あっ!俺、快渡って言うんだけど凌が絵美ちゃんのプリクラをみた日ねぇ―…」 「おいっ!それ以上、言ったら幼なじみのお前でも怒るぞ?」 「え~良いじゃんか!別にさぁ~!【一目惚れした】ってみんなに電話してきた事ぐらい言っても!」 「お前っ!」 「あははは!絵美ちゃん聞いてよ!こいつさぁ~みんなに電話してきたんだよ! 一目惚れした~!ってね! だから今日はどんな子が来るか、みんな楽しみにしてたんだよ!」 そうだったんだ。 ちょっと嬉しいかも… フッと凌を見ると、ふてくされながらも手に持っていた酒をグイッと飲んでいた。
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