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準備が整うと私達は階段を下り玄関へと向かう。
階段の下には我が家の愛犬【こたろう】が尻尾を振りながら待ち構えていた。
ミニチュアダックスのくせにデブな、こたろう。
真っ黒な毛並みにマロみたいな眉毛。
可愛いけど…
こたろうは嬉ションをする。
つまり嬉しいとオシッコをする厄介な犬なのだ…
「こっちゃん!あっち行って!」
私の言葉なんて聞く耳持たず。
こたろうは一目散に凌
目掛けて走ってくる。
案の定、凌のズボンに黄色いシミが…
「凌!ごめん!」
そんな私の声に母親がリビングから出てきた。
「あらあら…ごめんなさいね。
こたろう!こっちいらっしゃい!
大丈夫だったかしら?」
母親の言葉に、こたろうはシュンっとしてリビングへ消えていく。
凌の服が高い事を私は知っていた
ブランドの物だったり
雑誌に載っている様な物だったり
だけど凌は
「これぐらい大丈夫です」
なんて笑っていた。
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