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それから事は着々と進み…
凌は一週間後に帰る事になった。
寂しくても辛くても口には出せない。
何度も【行かないで】と言いたかった。
だが、そのたびに私はグッと気持ちを抑えつけては笑う。
凌は【こっちで手にした物は全て捨てる】と言っていた。
地元から離れて凌が手にした物…
車やコンポ…沢山の服。
それと…私。
地元から離れた、この場所での事は忘れたいっとも凌は言っていた
日に日に近づく別れの日。
凌は帰れる事がよっぽど嬉しいのか毎晩の様に地元の友達に電話している。
それは私と一緒に居ても例外ではない。
【帰ったら買い物に行こう】
【帰ったら飲みに行こう】
電話で話す凌を横目で見ながら私はグッと下唇を噛んだ。
楽しく話す凌とは裏腹に私のテンションは下がっていく。
凌にとって、私達の思い出は忘れたい物の1つなんだよね?
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