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どれ位、時間が経ったのだろう…
放心状態だった私はフッと我に返り部屋を見渡した。
凌に掴まれた腕が痛い。
私の腕に残された指の跡がこれは現実なのだと物語っている。
床にはポタポタと垂れた血痕が生々しく残っていた。
私はゆっくり立ち上がりタオルを握りしめ床を拭いた。
「うぅ…っ……」
すると緊張の糸がプツンッと切れたかの様に涙がこぼれ落ちていく。
人を見て、これほどまでの恐怖を覚えたのは生まれて初めての事だった。
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