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食事も出来上がりテーブルいっぱいに並べた。
我ながら完璧!
フンッと鼻で笑うと私は凌の帰りを今かと待っていた。
PM7:30
ガチャガチャ―…
やっと凌が帰ってきた。
部屋でテレビを見ていた私は勢い良く立ち上がり玄関へと向かう。
「おかえ……」
だが凌を見た瞬間、固まってしまった。
怖い…
本能的に感じた事だった。
目の前にいる男は凌であって凌ではない。
目つきが…
獲物を狙うかの様に私だけを睨んでいる。
「りょ…う…?」
今にも消えそうな声。
凌は靴を投げ捨てズカズカと私に向かってくると同時に
「てめぇ~!誰に向かって物言ってんだ!ふざけんなよ!」
大声で叫び私の腕を掴み上げ床へと投げ捨てた。
痛っ―…
抵抗する暇もなく床に強く打ち付けられ手首を強打。
痛みに耐えながらも私はハッと凌を見た。
だが凌は私を見ない。
初めてみる凌の姿に驚いてしまった。
驚きのあまり声すら出ず私は俯く事しか出来ない。
ドンッ―…
突然の鈍い音に驚き顔を上げると壁にはベットリと血がこべり付き、凌の拳からはポタリポタリっと血が流れ落ちている。
しかし傷付いた拳など気にもせず凌はそのまま何処かへ行ってしまった。
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