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「凌?結婚なんて簡単な物じゃないのよ?」
「分かってる…」
「お母さんは早くにお父さんを亡くして苦労も沢山してきたのを知ってるでしょ?それに結婚してしまったら簡単に別れる事なんて出来ないのよ?ましてや子供なんていたら尚更。
絵美ちゃんを養っていく覚悟は出来てるの?人を養っていく事は大変なのよ」
「俺は離婚なんてしない!養っていく覚悟があるからこうしておかんに言ってるんだよ!」
凌の目は真剣そのものだった。
「そう…なら絵美ちゃんは?凌は浮気するわよ!それでも凌について行ける?」
突然の問いかけに私は戸惑った。
私?
そりゃ、いつかは結婚したい。
勿論、相手は凌が良い。
お母さんの言うとおり、今まで凌は2回も浮気をした。
本人は何もしていないと言い張り私は凌を信じ許した。
きっとこの先も凌は浮気をするだろう―…
凌と結婚…
考えもしなかった。
ただ一緒に居れればそれで良かったから…
それ以上を望んだ事はない。
ギュッと手を握りしめると治りかけていた親指の傷が開き絆創膏を赤く染めた。
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