9人が本棚に入れています
本棚に追加
少しの会話を楽しんだ後
私達はお母さんオススメの焼き肉屋へ行く事になった。
少し乱暴なお母さんの運転に吐き気を覚えながら一軒の小さな焼き肉屋へ辿り着くと私達は早速、店の中へと入っていった。
店内はお腹が膨れてしまうほど焼けた肉の匂いが充満し私の腹の虫が暴れ出す。
笑顔の店員に案内され私達は角の席に座った。
「ここのカルビは本当においしいのよ!」
と言いながら次から次へと注文をし、あっと言う間にテーブルの上には沢山の肉が並べられた。
「いただきます!」
私と凌は箸をとり焼けた肉を口に運ぶ。
「おいしい!」
フッと顔を上げると
「はいっ!あ~ん!」
私達が見えていないのだろうか?
お母さんはお父さんの口に肉を持って行く。
お父さんも恥ずかしそうに口を開けた。
正直、見ているこっちが恥ずかしい。
やっとお母さんが私達を見ると
「絵美ちゃんも凌に食べさせてあげなさい」
と笑顔で言う。
「えっ…」
チラッと凌を見るが凌は小さく首を横に振った。
「いや…大丈夫です…」
するとお母さんは残念そうに
「そう…」
と呟いた。
少し気まずい雰囲気になった中、食事をしていると凌は突然、箸を置き話し始める。
「おかん!電話で言ってた話なんだけど」
「そう言えば何か言ってたわね」
「俺!絵美と結婚する!」
最初のコメントを投稿しよう!